愛媛温泉~松山編⑦~潮の香り北条シーパ

シーパmakoto

海と北条 

平成の市町村合併で松山市になった、旧北条市にある愛媛の温泉「シーパmakoto」へ行ってきた。

ここ、北条は鎌倉から室町時代に活躍した豪族であり水軍で名をはせた河野氏の出身地でもあったところだ。

風早(かざはや)の町と銘打つ、風に吹かれるのにとても心地よい海が続くちょこっとドライブに最適な場所である。

さて、松山は坊ちゃん団子に松山城、江戸から明治にかけての文学や俳句、道後温泉本館など明治時代の建築物といった文化的な側面を感じることが多い。

一方、松山空港から三津浜、高浜、堀江、北条と海へと続く道は、外向きの開放的な雰囲気である。

同じ松山ではあるが異質な文化が混在しているようにも感じる。

海沿いを進むと、まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのような漁師町といった懐かしいふるい商店街がある。

その北条の中心地に「シーパmakoto」はある。

北条 漁船

瀬戸内海をのぞむ温泉 シーパ

北条の商店街から海側に入り、昔懐かしな路地を進むと100台は入れそうな大きな駐車場がある。2階に入り口が2カ所ある。

右手が日帰り温泉、左手が貸切家族風呂の入り口となっている。

日帰り温泉は、入浴料600円。貸しタオルあり。買うタオルもあり。リンスインシャンプー、ボディソープは備え付けで嬉しい。

全体的にこじんまりしてるが海が見える露天風呂がここちよい。

ここから夕日が見えるらしい!!!

内湯は少し熱く、露天風呂はゆるりと休める温度。海が近いので塩の香りのする温泉だ。切り傷やアトピーなどに効くとのこと。

もちろんサウナあり。内湯は広々として洗い場も使いやすく設計されている。

火照った身体は、脱衣所で大型扇風機で冷やすこともでき、掃除も行き届いていてシーパではストレスフリーな日帰り温泉が楽しむことができる。

シーパ MAKOTO

お食事処

大浴場入り口には地域の小さな物産展のようになっていて、野菜や手作りのものなんかも買える。

小さいながらも食事処もある。北条の名物鯛めしも食べれる。刺身定食もあった(売り切れごめん)。ラーメンやカレーや焼きそばなどもある。

沢山テーブルはないが、季節がよい時期なら外で海を見ながら食事も出来る。お祭り気分で海を見ながら湯冷ししながら食べるもいいなぁ、と思いつつ。

近くが漁港だから魚がなのか・・・?猫がいたりして和むのも何気にほっこりとしてよい感じだ。

北条 招き猫

貸切家族風呂

貸切家族風呂では海側のサウナ露天風呂付のものある。

90分1名4,500円、1人追加600円。

こちらは、宿泊することもできる。

畳の部分は6畳と少し狭い。

しかし!一晩中温泉やサウナに入り放題で夕日が美しすぎる立地なのだ。

ゆえに若いカップルや1人でサウナに露天風呂にじっくり癒やしたい方にいいだろう。もちろん小さい子を連れての宿泊におすすめである。

そして!!なんと・・・!歩きのお遍路さんには、1泊2食付で平日限定5,950円!すごい、さすが四国。約半額の破格のお値段設定だ。

近くの立ち寄りスポット①

鹿島 

シーパから歩いてすぐの場所に渡船場があり、目の前のこんもりと丸い美しい形の島、「鹿島(かしま)」に渡れる。

少し時間に余裕があればのんびりと立ち寄りたいスポットだ。

鹿島は字のごとく、野生の鹿がいる島である。夏は海水浴場とキャンプ場として賑わっている。

北条 鹿島

島の中にある鹿島神社は、水軍で名をはせた河野氏が信仰し、江戸時代には松山藩主松平家も参拝していたという。境内には地震を抑えるための「要石(かなめいし)」もあるとのこと・・・。

要石とは、どこかで聞いたことがあると思ったが、アニメ「すずめの戸締まり」に出てくる神様の名前だった。

宮崎駿監督のアニメ「千と千尋の神隠し」の舞台も道後温泉。神様が傷を癒やすために来る温泉地という設定だ。

農業が盛んで豊作を祝う祭りや古くからの伝統やしきたりを守り続けている・・・

そして、お遍路さんへの「お接待」という文化・・・この愛媛にもそして四国全体にもそんな空気が流れているように思う。

四国を旅するような気持ちで見ると、そこに住む人の住む人が守ってきた日本人らしさが垣間見れるような気がするのだ。

北条の鯛めし 

愛媛の名物ではみかん、鯛めし、じゃこ天が有名だ(お菓子は坊ちゃん団子とタルトと母恵夢)。

この愛媛の鯛めしには2種類ある。

①海賊たちが船の上で食べていたのが起源とされる、鯛の刺身入り卵かけご飯、
②鯛の出汁がたっぷりきいたほぐし身入りの炊き込みご飯 だ。

北条の鯛めしは、②のシンプルな炊き込みご飯だ。

このシンプルな見た目とは裏腹に旨みがきいていて素朴に何度でも食べたいと思ってしまう味である。

風土記や日本書紀の時代にさかのぼり、神功(じんぐう)皇后が北条に立ち寄った際にもてなし料理として作られたのが、北条の鯛めしの起源といわれている。

真鯛を釜に一匹まるごと入れ、昆布で炊いたまさに「おめでたい」料理を現代に伝えている。

鹿島では太田屋鹿島店で4月下旬~11月上旬まで鯛めしを食べることができる。要予約で鯛めしの姿炊きも注文可(4人前より)。宿泊もOK。

渡船場にある駐車場は少ない。それなので日帰りの車でふらりと行く場合は海水浴シーズンは避けた方が無難だろう。

近くの立ち寄りスポット②

道の駅 風和里(ふわり)

この道の駅は地元の旬の野菜や、地酒・醤油など販売しており、夏は海水浴場として非常に多くの人が集まる立ち寄りスポットだ。

海水浴シーズン以外は駐車場も多いので、196号線沿いにあり、立ち寄り休憩にもってこいの場所となっている。

なんといっても・・・この辺りの夕日の美しさ!!!

風和里(ふわり) 夕日

夕暮れ時に、親子づれで浜辺を歩いたり、車で犬を連れてきて散歩する人も。

立ち寄りやすいので、風早(かざはや)の北条の潮風に触れ、しばし心の洗濯をしてみるのもいいかもしれない。

(2022.12月)